校長ブログ 詳細

掲載日:2016.03.02

卒業式 校長式辞

 (前略)
 ただいま卒業生155名一人一人に卒業証書をお渡しいたしました。卒業生は皆、晴れがましい笑顔で、本当に輝いていました。今私は、皆さん各々が、京華女子で過ごした3年間・6年間に思いをめぐらせ、胸を熱くしています。

 三年前の四月六日、この同じ会場で皆さんの入学式が行われました。私にとっては校長に就任しての初仕事ともいえる入学式でした。その式辞で、「私は校長一年生、ある意味皆さんと同級生です。互いに刺激しあって前向きに歩んでいきましょう」と述べました。
 あれから三年間経ちましたが、皆さんにとって京華女子での生活はいかがでしたか。
 私は、皆さんの笑顔に励まされながら日々精一杯つとめてまいりました。全てが良いことばかりではなく、自分の非力を思い知らされ、悩んだこともありましたが、そのたびに、諸先輩のご指導や周囲の皆さまのご協力に支えられ今日までやってまいりました。そのなかで何事も真摯に正面から取り組むことの大切さや、仲間を信じることの大切さを学ぶことができました。
 皆さんの高校生活の一つの目標は、希望する進路に向かって第一歩を踏み出すことにあったと思います。二学期早々から始まったAO入試、十一月からの推薦入試がありました。一月十六日・十七日のセンター試験以降の一般入試は、これからも続きます。
 皆さんが選択した進路は、本当に多様でした。最近の傾向は、経営学や栄養などの生活科学、看護や薬学などの医療系を目指す人が増えています。実学に人気があり、専門性を高め、それを生かしたいという意志がうかがわれます。今年の卒業生は特に理工系の合格者が増え、京華女子の可能性を一回り広げてくれたことを、大変うれしく思います。
 まだ進路が決まっていない人は、あきらめることなく、最後まで粘り強い努力を続けてください。
 第一志望に進むことができなかった人も、それだけで決して落胆する必要はありません。大切なのは、どんな場に置かれても、自分の能力を十分に発揮し、それが他の人のためにも役に立つような生き方をみつけることだと思います。
 部活動などで仲間と力を合わせて目標を達成した人も大勢います。ここで体験した忍耐力や協調性、コミュニケーション力は、必ずこれからも役に立ちます。胸を張って進んでください。
 また、オーストラリア語学研修などの国際交流に参加して、視野を広げた人もいました。 
 この三年間の高校生活で体験したことは、その一つ一つが貴重な宝物です。皆さんは、いつもご家族や周囲の方々に支えられてきました。そして本日、卒業式を迎えることができたのです。本当におめでとうございます。

 昨年は、戦後七十年でした。戦争を体験した人の割合が圧倒的に少なくなりました。これまで口を閉ざしていた体験者から、生々しい体験が語られ、当時を記録した映像が放映され、戦争体験のない私たちも、あらためて戦争の悲惨さを追体験し、平和の尊さを深く心に刻みました。
 命を生み出すことができる女性は、本能的に平和を望みます。皆さんにはどんな時代になっても、平和の守り手であってほしいと思います。

 この節目の年に、七十年ぶりに公職選挙法が改正され、十八歳以上の選挙権が認められました。本日卒業する皆さんは全員、今年の6月以降選挙に参加し、自らの意見を政治に反映させることができるようになりました。
 京華女子が創立された頃には、一定の国税を納めた二十五歳以上の男性にしか選挙権は与えられていませんでした。長い普選運動の結果、1925年に二十五歳以上の男性すべてに選挙権があたえられました。しかし、女性に選挙権が認められたのはそれから二十年後の敗戦の年でした。婦人参政権は、先人たちの苦労の積み重ねで、終戦後ようやく得られた大切な権利です。
 さらに昨年、十八歳・十九歳の青年まで拡大されました。みなさんは、政治の在り方、自分とのかかわり、日本の将来にまで思慮を広げて、よく考えて責任をもってこの権利を行使してください。

 京華女子では、国際理解教育を進めています。交通の発達やインターネットの普及で、私たちが海外に出かける機会や、来日する外国人も増え、世界中の情報が即座に入手できるようになりました。このような環境では、英語やその他の外国語を学び、異文化を理解し、広い視野を持つことは、とても大切です。皆さんは上級学校に進学しても、就職しても、常に学ぶ姿勢を持ち続けてください。
 そして他の国のことを理解することは、自分の国である日本のことをよく学び、理解していることが前提です。それは主権者として将来を考えること、身近な人々と仲良くして助け合うこと、自分を大切にすることに通じます。

京華学園は、来年創立百二十周年を迎えます。卒業生の皆さん、どうか自信をもって羽ばたいてください。
 学校の真価は、卒業生のその後の生き方に示されるといっても過言ではありません。京華学園で学んだ成果をこれからの人生に思う存分生かしてください。
 私たち教職員も、在校生とともに、皆さんが母校として誇れるような学校であり続け、さらに発展させていきます。

本日は、卒業おめでとうございます。
 皆さんの健やかで輝かしい未来と発展を心から願い、私の式辞といたします。

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