オーストラリア語学研修(2週目)【13日目~最終日更新しました】

2026.07.27

学校NEWS

【13日目~最終日】

2週間にわたるオーストラリア研修も、いよいよ最終日を迎えました。

朝は、これまで毎日お世話になったホストファミリーとのお別れから始まります。

約2週間前、不安と緊張を抱えながら初めて対面した日が、つい昨日のことのように感じられます。しかし、この短い時間の中で、生徒たちは家族の一員として温かく迎え入れていただき、一緒に食事をし、会話をし、それぞれの家庭でかけがえのない思い出を作ることができました。

お別れの場所となったのは最初に出会った場所と同じ学校前の教会です。そこでは、「Thank you so much.」「See you again.」「Please come to Japan!」と、感謝と再会を約束する言葉が飛び交います。

笑顔で手を振る生徒もいれば、別れの寂しさから涙ぐむ生徒の姿もありました。ホストファミリーの皆様も最後まで温かく見送ってくださり、この2週間が単なるホームステイではなく、本当の家族のような時間だったことを改めて感じさせてくれました。

学校で全員が集合した後は、バスでシドニー国際空港へ向かいます。

車窓から眺める街並みや海岸線も、この日が見納めです。「また来たいね。」「今度は家族と来たい。」そんな声が車内から聞こえてきました。

オーストラリア滞在中は毎日のように青空が広がり、冬とは思えないほど暖かな日差しに恵まれていました。しかし、この日は研修期間中で唯一の雨。

まるでオーストラリアが「また来てね」と名残を惜しんでくれているかのような、少し寂しさを感じる空模様でした。

空港へ到着すると、出国手続きを済ませ、いよいよ日本への帰路につきます。

飛行機が滑走路を走り、ゆっくりと離陸していくと、眼下にはシドニーの街並みと広大な海が広がっていました。

「ありがとう、オーストラリア。」

そんな気持ちを胸に、それぞれが窓の外を見つめながら、この2週間を振り返っていたのではないでしょうか。

今回の研修では、生徒たちは英語を「勉強する」のではなく、「伝えるための道具」として使うことを学びました。

ホームステイでは家族と食卓を囲み、現地校ではバディーとともに授業を受け、日本語を教え、英語で会話をし、時には言葉が通じなくても笑顔やジェスチャーで気持ちを伝えました。

また、オーストラリアの豊かな自然、アボリジナルの文化、カトリック校ならではの教育、そして多様な価値観に触れることで、教室では学ぶことのできない数多くの経験を積むことができました。

そして何より、この研修を通して改めて感じたのは、「違い」を知ることは、「自分」を知ることにもつながるということです。

異なる文化や考え方に触れたからこそ、日本の礼儀や思いやり、人との関わり方の素晴らしさにも改めて気付くことができました。John Therry Catholic Collegeの校長先生が最後にお話しされた"Mutual Respect(相互尊重)"という言葉は、この研修全体を象徴するメッセージだったように思います。

この素晴らしい研修を実現するためにご尽力くださったJohn Therry Catholic Collegeの先生方、生徒の皆さん、ホストファミリーの皆様、現地コーディネーターの皆様、そして日本で送り出し、温かく見守ってくださった保護者の皆様、そして京華学園の教職員の方々に、心より感謝申し上げます。

2週間という限られた時間でしたが、生徒たちが得た経験や出会い、そして友情は、これから先も人生の大きな財産となることでしょう。

この研修で築かれた絆がこれからも続き、京華女子中学・高等学校とJohn Therry Catholic Collegeとの交流が末永く発展していくことを願っています。

Thank you, Australia.

Thank you, John Therry Catholic College.

And we'll see you again someday.

【12日目】

いよいよ、John Therry Catholic Collegeで過ごす最後の登校日を迎えました。

約2週間前は緊張した表情で登校していた生徒たちも、今ではホストファミリーやバディーとの生活にもすっかり慣れ、自然な笑顔で学校へ向かう姿が見られます。慣れ親しんだ通学路を歩く時間も、この日が最後になると思うと、どこか名残惜しさを感じる朝となりました。

登校後はすぐに、全校生徒が集まるAssembly(全校集会)へ参加しました。

集会では、生徒の表彰や学校からの連絡、そして校長先生からのお話がありました。こうした学校全体で集まり、生徒の努力を称えたり、学校生活について話を聞いたりするスタイルは、日本の学校とも共通する部分が多く、生徒たちも親しみを感じながら参加していました。

一方で、John Therry Catholic Collegeはカトリック校であるため、日本の学校とは異なる特色も随所に見られました。

校長先生のお話の中では、"Lord God"(主なる神)や"Amen"(アーメン)といった言葉が自然に用いられ、集会の中にもキリスト教の教えや祈りの要素が取り入れられています。信仰に基づいたメッセージを学校生活の中で日常的に共有していることは、日本の多くの学校ではあまり見られない文化であり、生徒たちにとっても新鮮な体験となりました。

同じ「学校集会」という行事であっても、その背景にある教育理念や文化の違いを実際に肌で感じることができたことは、海外研修ならではの貴重な学びの一つでした。

Assemblyでは、京華女子中学校・高等学校を代表して、生徒代表と教員代表によるスピーチも行いました(私がスピーチをする側でしたので写真がないです、すみません!)。

生徒代表からは、JTで温かく迎え入れてくださった先生方やバディー、ホストファミリーへの感謝の気持ちが英語で伝えられました。そして、この研修で築かれた友情をこれからも大切にし、日本とオーストラリアのつながりを末永く育んでいきたいという思いが語られました。

教員代表として私からも、約2週間にわたり惜しみないサポートをしてくださった学校関係者の皆様への感謝をお伝えするとともに、この交流が一度きりで終わるものではなく、これからも両校の友情が続いていくことへの願いをお話ししました。

その後、校長先生は今回の交流を振り返りながら、Mutual Respect(相互尊重)の大切さについてお話しされました。

校長先生は、その具体例としてサッカーワールドカップで日本人サポーターが試合後にスタジアムの清掃を行ったエピソードを紹介されました。自分たちが使った場所をきれいにして帰る姿は世界中で大きな話題となりましたが、校長先生は「あれこそが他者への思いやりであり、互いを尊重する心の表れです。そして、それは私たちが日本から学ぶべき大切な姿勢です」と話してくださいました。

海外では、日本について語られるとき、アニメや食文化だけでなく、このような礼儀や公共の場での振る舞い、人を思いやる姿勢が高く評価されることがあります。生徒たちにとっても、自分たちが普段当たり前だと思っている行動が、世界では日本の良さとして受け止められていることを知る、非常に印象深い時間となりました。

Assemblyを終えた後、最後のレッスンでは、お世話になったホストファミリーへ贈るThank You Letterを書きました。

約2週間、毎日温かく迎え入れ、家族の一員として接してくださったホストファミリーへの感謝の気持ちを、一人ひとりが丁寧に言葉にしていきます。

「Thank you」だけでは伝えきれない思いを英語で表現しようと、辞書を引いたり友達同士で相談したりしながら、時間をかけて手紙を完成させました。楽しかった出来事や心に残った思い出、感謝の気持ちが詰まった、世界に一通だけの手紙が出来上がりました。

続いて、Year 8の日本語クラスにも最後の参加となりました。

この日の活動は、「マシュマロタワーチャレンジ(Marshmallow Tower Challenge)」です。各グループでパスタ(乾麺)、テープ、ひも、そして1個のマシュマロを使い、制限時間内にできるだけ高いタワーを作るという協力型のアクティビティに挑戦しました。

一見簡単そうに見えますが、土台が崩れてしまったり、最後にマシュマロを載せた瞬間に倒れてしまったりと、思うようにはいきません。それでも、京華女子の生徒とYear 8の生徒たちは、「もう少しここを支えよう」「三角形にすると強いよ」などと英語や日本語、そしてジェスチャーも交えながら相談し、一緒に試行錯誤を重ねていました。

言葉が完璧に通じなくても、「より良いものを一緒に作る」という共通の目標があることで、自然と役割分担が生まれ、笑顔や笑い声が絶えない時間となりました。

活動を通して、生徒たちはコミュニケーションには語学力だけでなく、相手の意見を尊重し、協力しようとする姿勢が何より大切であることを実感したようです。

これがJTの生徒たちとの最後の授業となりました。

「これが最後の授業なんだね。」

そんな思いを胸に、生徒たちは一人ひとりとの会話や交流を大切にしながら、一緒に過ごす時間をかみしめていました。短い期間ではありましたが、言葉や国籍を越えて築かれた友情の大きさを感じる時間となりました。

昼食を終えると、いよいよFarewell Party(お別れ会)が開かれました。

会場には、これまで毎日のように一緒に過ごしてきたバディーや先生方、ホストファミリーが集まり、笑顔で写真を撮り合ったり、メッセージを書き合ったり、ハグを交わしたりする姿があちらこちらで見られました。

「また会おうね。」
「日本で待ってるよ。」
「See you again!」

そんな言葉が自然と飛び交い、別れを惜しむ気持ちが会場全体にあふれていました。涙ぐむ生徒の姿も見られ、2週間という短い期間の中で築かれた絆の深さを改めて感じさせられました。

研修が始まった頃は、不安そうな表情で登校していた生徒たちが、最後には「帰りたくない」「もっと一緒にいたい」と話すまでになりました。それだけJTの先生方、生徒の皆さん、そしてホストファミリーの皆様が温かく迎え入れ、家族のように接してくださったということだと思います。

引率の私ともぜひ写真をということでこんな素敵なインスタント写真を取ってくださいました。外国人や移民に慣れきっているオーストラリアでこんなにもフレンドリーに接してくれることは稀なので、私自身、驚きとともに非常に感動しました。Cheers, mate!!!

今回の研修では、生徒たちは英語を学ぶだけでなく、多様な文化や価値観に触れ、多くの友情を育みました。そして同時に、日本の礼儀や思いやりの心の大切さを改めて実感する機会にもなりました。校長先生が最後に語られた"Mutual Respect(相互尊重)"という言葉は、この2週間の交流そのものを表すメッセージだったように感じます。

明日はいよいよホストファミリーとのお別れ、そして日本への帰国です。寂しさはありますが、この研修で得た経験や出会いは、生徒たち一人ひとりの心にこれからも残り続けることでしょう。そして今回生まれた友情が、京華女子中学校・高等学校とJohn Therry Catholic Collegeを結ぶ架け橋として、これからも長く続いていくことを願っています。

【11日目】

研修11日目を迎えました。

この日も生徒たちは制服に身を包み、いつもどおりJohn Therry Catholic Collegeへ登校しました。朝は少し肌寒さを感じるものの、日差しが差し込むにつれて気温も上がり、過ごしやすい一日となりました。いよいよ明日は、John Therry Catholic Collegeで過ごす最後の登校日となります。 これまで少しずつ築いてきた先生方やバディーとのつながりを思うと、名残惜しさも感じられる頃になってきました。

午前最初のプログラムは、アボリジナルの文化を学ぶ特別レッスンです。

この日は、アボリジナルの背景を持つ先生であるBrian先生をお招きし、伝統的なブーメランの投げ方を教えていただきました。

ブーメランは見た目以上に奥が深く、投げる角度や力加減、手首の使い方によって飛び方が大きく変わります。最初は思うように飛ばず、地面へ落ちてしまったり、思わぬ方向へ飛んでしまったりする場面もあり、生徒たちは苦戦している様子でした。

それでもBrian先生のアドバイスを受けながら何度も挑戦を重ねるうちに、少しずつコツをつかみ、きれいな軌道で飛ばせるようになった生徒もいました。成功した瞬間には自然と歓声が上がり、お互いに拍手を送り合う姿も見られました。

ブーメランは単なる遊び道具ではなく、アボリジナルの人々が狩猟や生活の中で培ってきた知恵と技術が詰まった伝統文化の一つです。実際に体験することで、その文化をより身近に感じることができた貴重な時間となりました。

学校へ戻った後は、Year 8(日本の中学2年生に相当)の日本語初級クラスの授業に参加しました。

この日の活動は、日本でもおなじみの「フルーツバスケット」。こちらでは"Fruit Salad"という名前で親しまれています。

ゲームのルールは日本のフルーツバスケットとほぼ同じです。参加者は「Apple」「Orange」「Grapes」などの果物に分かれ、呼ばれた果物の人が席を移動します。そして、Fruit Salad!の掛け声がかかると、全員が一斉に席を移動します。

今回は日本語初級クラスということもあり、「りんご!」「みかん!」「ぶどう!」といった日本語と、「Apple!」「Orange!」「Grapes!」などの英語を織り交ぜながらゲームを進めました。

「Fruit Salad!」の声が響くたびに教室中が一斉に動き出し、大きな笑い声と歓声に包まれます。京華女子の生徒たちも現地の生徒と一緒になってゲームを楽しみ、日本語の発音を教えたり、英語で話しかけたりしながら自然と交流を深めていました。言葉が完璧に通じなくても、一緒に遊び、笑い合うことで心の距離が縮まっていく様子がとても印象的でした。

その後は、それぞれのバディークラスへ参加しました。

現地の授業は英語のみで進められるため、内容を理解するのは決して簡単ではありません。それでも、生徒たちは先生やバディーの説明に耳を傾け、ノートを見せてもらったり、分からないところを質問したりしながら、一生懸命授業についていこうとする姿が見られました。

海外の学校で現地の生徒と同じ授業を受ける経験は、日本ではなかなかできるものではありません。英語力だけでなく、「分からなくても挑戦してみる」という姿勢そのものが、大きな成長につながっているように感じます。

午後はアートの授業です。

まず校内を歩きながら、それぞれ気に入った葉っぱを拾い集めました。葉の形や大きさ、色合いは一枚一枚異なり、「これは羽のように見えるね」「この葉っぱは魚みたい」と、生徒たちは自然の中から作品の材料を探していきます。

教室へ戻ると、集めた葉っぱを組み合わせ、一枚のアート作品を制作しました。葉っぱを動物に見立てたり、風景を表現したりと、同じ材料を使っていても完成した作品はどれも個性豊かです。

身近な自然を素材として活用し、想像力を膨らませながら作品を作り上げるこの授業は、日本ではあまり経験することのない学びでした。

文化に触れ、英語で交流し、そして自然の中から芸術を生み出す――。今日も教室の中だけでは学ぶことのできない、多くの貴重な経験を積むことができた一日となりました。

いよいよ明日はJohn Therry Catholic Collegeで過ごす最後の登校日です。これまで温かく迎え入れてくださった先生方やバディー、ホストファミリーへの感謝の気持ちを胸に、一人ひとりが最後まで積極的に交流し、この貴重な経験を締めくくってくれることを期待しています。

【10日目】

研修10日目を迎えました。

この日も朝から気持ちのよい青空が広がり、爽やかな一日のスタートとなりました。生徒たちは元気に集合し、ホストファミリーに見送られながらバスへ乗り込みます。今日は学校を離れ、ニューサウスウェールズ州が誇る美しい海岸線を巡るエクスカーションです。

まずバスは、海沿いの絶景が続くScenic Routeへ。窓の外には、どこまでも続く青い海と切り立った断崖、そして豊かな緑が広がり、生徒たちも思わず窓の外へ目を向けます。普段見る景色とはまったく違うスケールの大自然に、車内からは「きれい!」「すごい!」という声があちらこちらで聞こえてきました。

最初に立ち寄ったのは、ニューサウスウェールズ州を代表する景勝地の一つ、Sea Cliff Bridge(シー・クリフ・ブリッジ)です。

全長およそ700メートルのこの橋は、断崖に沿って建設され、一部は海へせり出すような構造になっています。そのため、まるで海の上を歩いているかのような感覚を味わうことができます。

橋の上からは、透き通った青い海と雄大な海岸線が一望でき、この日も天候に恵まれたことで、その美しさは一段と際立っていました。心地よい潮風を感じながら、生徒たちは思い思いに景色を眺めたり、友達同士で写真を撮り合ったりと、オーストラリアならではの絶景を満喫していました。

その後もバスは、美しい海岸線を眺めながら南へと進み、港町Wollongong(ウロンゴン)へ向かいました。

「Wollongong」という地名は、この地域に古くから暮らしてきたAboriginal peopleの一部族である、ダラワル(Dharawal)族の言葉に由来するとされ、その意味には諸説ありますが、「海の音(Sound of the Sea)」を表すという説が広く知られています。実際に街へ近づくと、どこまでも続く青い海から絶え間なく聞こえてくる波の音が印象的で、その地名がぴったりだと感じられる美しい景色が広がっていました。オーストラリアの地名には、このように先住民の言葉や文化が今も大切に受け継がれているものが多く、自然だけでなく歴史や文化にも触れることができました。

海沿いの道を歩いているだけでも気持ちがいいです。海に足をつけてみたい!という生徒もいたので、さすがに泳ぐことはできませんが足をつけるぐらいなら…ということで早速靴を脱いで海に足を浸していた生徒もいました。

写真では見えにくいかもしれませんが、遠くにアザラシが見えました!一人でポツンといてなんだか寂しそう…と思っていたら手をふってこちらを眺めているではありませんか…というのは人間の勘違いでしょうかね。この辺りでも珍しいことらしく、みんな双眼鏡やカメラを片手に地元の人と一緒に眺めていました。

続いて訪れたのは、街のシンボルとして親しまれているWollongong Head Lighthouseです。真っ白な灯台と、どこまでも広がる青い海、そして広々とした芝生が織りなす景色は、まさに絵葉書のような美しさでした。青空の下で記念写真を撮影し、生徒たちも素晴らしい景色を思い思いに楽しんでいました。

その後は、ウロンゴン最大級のショッピングモールWollongong Centralへ移動しました。

ここでは昼食を楽しむとともに、それぞれ自由に買い物を満喫しました。フードコートには日本ではあまり見かけないお店も多く、生徒たちは「どれにしようかな」と悩みながらメニューを選んだり、現地ならではのお菓子やお土産を探したりと、思い思いの時間を過ごしていました。

英語で注文をしたり、店員さんとのやり取りに挑戦したりする姿も多く見られました。学校の授業で学んだ英語を実際に使い、自分の力で買い物や食事を楽しむ経験は、教室では得ることのできない貴重な学びです。生徒たちも少しずつ英語で話すことへの抵抗がなくなり、自信を持ってコミュニケーションを取る様子が見られるようになってきました。

午後は再びバスに乗り、John Therry Catholic Collegeへ戻りました。

帰りの車内では、撮影した写真を見返したり、その日に購入したお土産を友達同士で見せ合ったりと、楽しかった一日を振り返る姿があちらこちらで見られました。

壮大な海岸線、美しい灯台、先住民文化に由来する街の歴史、そして現地での買い物や食事。今日はオーストラリアの自然・文化・生活をさまざまな角度から体験することができた、充実した一日となりました。研修も終盤を迎えていますが、一日一日の経験が、生徒たちにとってかけがえのない思い出と学びになっていることを改めて感じました。

【9日目】

本日も、生徒たちは元気に登校してきました。

朝の気温は10度ほど。少し肌寒さを感じるものの、上着が一枚あれば十分に過ごせる気候です。太陽が昇り、日差しを浴びると、すぐに体がポカポカと温まってきます。

朝晩のために、着脱しやすい上着を一枚持って家を出る――これが、少なくともここNSW州で冬を過ごす際の基本的な服装のようです。

ところが、校内を見渡してみると、ジャケットの下は半袖、さらに短パンという、何とも季節感のつかみにくい服装のオージーたちもちらほら。こちらが「寒くないのかな」と心配している横で、本人たちは何事もないように元気に歩いています。オーストラリアの冬の風景にも、少しずつ見慣れてきました。

朝はいつも通り集合したら、Howard先生のガイドで、Cultural Hubという場所へ。ここは先日お伝えしたAboriginal Peopleへの敬意を表する場所だそうです。入り口にはSchool catのSweetyがいました。Hello, Sweety❤️

Aboriginal Australianにルーツを持つ先生から色々と説明を受けました。ちなみに、オーストラリアのAboriginal peopleは「世界最古の文化を持つ文明」といわれています。およそ6万年以上前からこのオーストラリア大陸に居住し続け、独自の文化を形成しているのです。

今日は、午前中が通常授業、午後がスポーツという一日です。日本で全校を挙げてスポーツに取り組む日といえば、体育祭や球技大会などの特別行事を思い浮かべます。しかし、ここJohn Therry Catholic College(JT)では、毎週火曜日の午後がスポーツの時間です。

普段の時間割の中に、全校で体を動かす時間が組み込まれていることに驚かされます。スポーツが学校生活の一部として自然に根付いていることも、オーストラリアらしさの一つなのかもしれません。

まずは、Mrs. Pam Howardによる英語の授業です。

第2週に入り、ホームステイや現地校での生活が充実している一方で、少しずつ疲れもたまってきた頃でしょうか。この日は、いつもより少しお疲れの様子で、眠そうにしている生徒の姿も見られました。

大丈夫かな……と少し心配になりましたが、これも毎日を全力で過ごしている証拠かもしれません。体調管理にも気を付けながら、残りの研修を元気に乗り切ってほしいと思います。

眠気を吹き飛ばすためにも、授業の途中で少し体を動かし、校内を散歩して回りました。

広い校内を歩いていると、運動場では体育の授業が行われていました。バスケットボールのボールが地面を弾む音、仲間を呼ぶ大きな声、ゴールへ向かって走る生徒たち。別の場所では、ホッケーの授業も行われていました。もちろん、アイスホッケーではなく、フィールドで行うホッケーです。

授業の進め方や競技には多少の違いがあっても、生徒たちが仲間と声を掛け合いながら夢中になって体を動かす姿は、日本でもオーストラリアでも変わりません。体育の授業は万国共通だな、と感じるひとときでした。

Recess(リセス)を挟んだ後は、Year 12、日本の高校3年生に相当する生徒たちの家庭科の授業に参加しました。

この日のメニューは、オーストラリアやイギリスで親しまれているスコーンです。ちなみに、オーストラリア英語では、日本語の「スコーン」よりも「スコン」に近い発音で呼ばれます。

京華女子の生徒たちは、JTのYear 12の生徒たちとグループになり、英語で書かれたレシピを読みながら調理に挑戦しました。

生徒たちに将来の夢を聞くと、「電気工事士」や「牧師」など、必ずしも大学に行くことが正解とは限らない答えが返ってきます。ちなみに、写真一番右の男子生徒はChaseという名前の生徒で、Chase君ここオーストラリアでは珍しく将来はプロ野球選手になりたいとのこと。そのため、卒業後は単身アメリカへ武者修行の旅へ出かけるそう。オージー青年の逞しさに驚きながら、生徒たちも一生懸命に学んでおります。

材料の分量を確認し、手順を読み、分からないところはお互いに質問します。小麦粉を量り、材料を混ぜ、生地をまとめて形を整える。一つひとつの作業を協力して進めるうちに、教室には次第に楽しそうな声が広がっていきました。

英語でレシピを読めるようになることも、語彙力やリーディング力を高める、とてもよい学習です。もちろん、学校の試験や入試に出題される論説文や説明文を読めるようになることも大切です。しかし、実際の生活では、レシピ、食品表示、商品の説明書、交通案内、注意書きなどを正確に読み取る力が、日々の生活の質や安全に直接つながります。英語を「問題を解くための教科」としてだけではなく、「海外で生活し、人と関わり、自分で行動するための道具」として学ぶことの重要性を、今回の授業を通して改めて感じました。

そして、オーブンから焼き上がったスコーンが出てくると、教室には香ばしい匂いが広がりました。自分たちで協力して作ったスコーンの味は格別でした。

家庭科の授業を終えた後は、昼食まで少し時間があったため、JTの生徒たちとジェンガをして過ごしました。

ブロックを一本ずつ慎重に抜き取るたびに、周囲から「Careful!」「Oh no!」と声が上がります。塔が大きく揺れると全員が息をのみ、崩れた瞬間には教室中に笑い声が響きました。

そこには「英語のレッスンを受けている」という堅苦しさはなく、ただ同じ時間を共有し、一緒に遊び、笑い合う生徒たちの姿がありました。

言葉を学ぶ上で、もちろん授業や練習は必要です。しかし、こうした自然な時間の中で交わされる短い言葉や笑顔こそが、人と人との距離を縮める大切なコミュニケーションなのだと思います。

昼食を終えると、いよいよ全校でのスポーツの時間です。

青空の下、学年ごとにバスケットボール、バレーボール、サッカーなど、さまざまな競技に分かれて活動しました。広いグラウンドやコートには、生徒たちの大きな声と歓声が響き渡ります。

京華女子の生徒たちは、バレーボールとバスケットボールに参加しました。

最初は現地の生徒たちのスピードや勢いに少し圧倒される場面もありましたが、試合が始まるとすぐに夢中になり、ボールを追いかけてコートを走り回っていました。

「Nice!」「Pass!」「Good job!」と、競技中に必要な言葉は自然と口から出てきます。スポーツには、言葉の壁を越えて人と人をつなぐ力があります。英語が完璧でなくても、ボールをつなぎ、仲間を応援し、得点を一緒に喜ぶことで、チームの一員になることができます。

気持ちのよい青空の下、生徒たちは汗をかきながら、最後まで全力でスポーツを楽しんでいました。授業、料理、交流、そしてスポーツと、今日もさまざまな形で英語やオーストラリアの学校文化に触れる、盛りだくさんの一日となりました。

研修も後半に入りました。少し疲れが見え始める時期ではありますが、現地で過ごせる時間は残りわずかです。体調を整えながら、一つひとつの経験を大切にし、最後まで思い切り楽しんでほしいと思います。

【8日目】

オーストラリア研修も、いよいよ第2週がスタートしました。

週末は、それぞれのホストファミリーと充実した時間を過ごしました。ショッピングやシドニー観光に出かけたり、家族で食事を楽しんだり、スポーツをしたりと、過ごし方はさまざま。月曜日の朝には、「とても楽しかった!」「英語をたくさん話すことができた!」と、週末の思い出を笑顔で話してくれる生徒が多く見られました。

ホームステイが始まって約1週間。最初は緊張していた生徒たちも、今ではホストファミリーとの生活にもすっかり慣れ、自然な笑顔で登校する姿が印象的でした。

この日の朝も、少しひんやりとしていましたが、寒すぎることはなく、とても過ごしやすい気候でした。冬とはいえ日中は暖かくなるオーストラリアらしい一日の始まりです。ほんと、オーストラリア(少なくとも、ここNew South Wales州は)って気候に恵まれているなと改めて思いました。

1時間目は、Mrs. Pam Howardによる英語の授業です。

まずは、ペアで協力して取り組む「間違い探し」のアクティビティ。お互いが持っている少しずつ異なるイラストを見比べながら、英語だけを使って違いを説明し合います。「右上に鳥がいるよ。」「私の絵には木が一本多いよ。」など、相手に分かりやすく伝えるために工夫しながら会話を続ける姿が見られました。

続いて行ったのは、ストーリーテリングの活動です。イラストやキーワードを手がかりに、自分たちで物語を組み立て、ペアで協力しながら英語で発表していきました。正しい英語を話すことだけではなく、「相手に伝えること」を意識しながら活動することで、実践的なコミュニケーション能力を養う貴重な時間となりました。

研修開始当初と比べると、生徒たちが英語を話し始めるまでの時間も短くなり、自信を持って積極的に会話を楽しむ姿が多く見られるようになりました。ホームステイや現地校での生活を通して、英語力だけでなく、「伝えようとする力」が着実に育っていることを実感します。

午前中の授業を終えると、Recess(リセス) の時間です。

オーストラリアの学校では、Recessは日本でいう20分休みのような時間で、昼食前に設けられています。生徒たちは軽食を食べたり、友達と談笑したり、校庭でボール遊びをしたりと、それぞれ思い思いに過ごします。日本の学校とは異なる学校文化を体験できることも、海外研修ならではの魅力です。基本的にリセスの時間帯は生徒は教室にいることができません(見ていると、強制的に外に出されているような印象を受けました…)。休み時間に教室に留まることができる日本とは大きな違いですね。

Recessの後は、JTの生徒たちと一緒に授業へ参加しました。

この日の授業もグループワークが中心で、日本とオーストラリアの生徒が一緒になって活動を進めました。JTの生徒たちは日本語で、京華女子の生徒たちは英語でコミュニケーションを取り、お互いが学んでいる言語を実際に使いながら交流を深めていきます。

「こんにちは。」「何歳ですか?」という日本語に対して英語で返したり、反対に英語で質問を受けて日本語を教えたりと、教室のあちこちで自然なLanguage Exchange(言語交流)が生まれていました。

相手に伝わるようにゆっくり話したり、身振り手振りを交えたり、分からない単語はお互いに教え合ったりする姿からは、「伝えたい」「理解したい」という気持ちが強く感じられました。どんどん自然に生徒同士で交流が生まれてきていることに驚いていると同時に、教員としても非常に嬉しい瞬間でした。

午後は、Aboriginal Art Lesson に参加しました。

この授業では、オーストラリア先住民であるアボリジナルの文化や芸術について学びながら、実際に作品づくりを体験しました。

…、と授業中ですが、いきなり携帯電話にアラートが鳴り始めました。これは災害などではなく、オーストラリア政府が全国一斉に実施した緊急警報システムのテストでした。日本の「Jアラート」のような仕組みで、山火事や洪水などの大規模災害が発生した際に、対象地域の携帯電話へ緊急情報を一斉配信するシステムです。その記念すべき試験運用日にたまたま研修中に居合わせることができました。ただ、日本の緊急地震速報ほどの「アラート感」はないので、果たして機能するのかどうか…?また、なってる携帯とそうでもないものとあり、こういういい加減さがさすがオーストラリアだなと感心(?)してしまいました。幸い実際の災害ではないので、テスト終了後は通常どおり研修を続けることができました。むしろ貴重な体験ができましたね!

※注釈として…aborigine「アボリジニ」という表現は差別用語として最近捉えられかねないので、パブリックな場所では"aboriginal people"や"indigenous Australian" などの呼称が適切です。また、今ではオーストラリア社会に溶け込んでおり、non-aboriginal peopleとの通婚も進んでいるため、一見するとaboriginal peopleと判断できない方々もたくさんいます。

まずは、アボリジナル文化を象徴する道具の一つであるboomerang (ブーメラン)に絵付けを行いました。伝統的なドットペインティングを取り入れながら、一人ひとりが思い思いのデザインを描き、世界に一つだけの作品を完成させました。

さらに、植物から抽出したエッセンシャルオイル(精油)を使ったアートにも挑戦しました。自然の香りを感じながら作品を仕上げるという、日本ではあまり体験することのできない活動に、生徒たちも興味深く取り組んでいました。

今回の授業で特に印象的だったのは、実際にアボリジナルにルーツを持つJTの生徒から直接話を聞くことができたことです。

レッスン後は、JTの校内に設置されているアボリジナル・トーテムの前に全員で集まり、その生徒からトーテムに込められた意味や、アボリジナルの文化、自然との共生の考え方などについて説明してもらいました。教科書では学ぶことのできない「生きた文化」に触れることができ、生徒たちも真剣な表情で耳を傾けていました。

ちなみに、このトーテムのモデルの鳥は「lyre bird」(ライアー・バード)という種類の鳥です。この鳥は様々音を真似るのに非常に長けている鳥です。だから「ライアー」と呼ばれているとか。

さらに、Bush Tucker(ブッシュ・タッカー)と呼ばれる、アボリジナルの人々が古くから食べてきた植物についても紹介していただきました。

実際にベリーの一種を試食する機会もあり、生徒たちは「少し渋みのあるリンゴみたいな味!」と、それぞれ感想を話しながらオーストラリアならではの味覚を楽しんでいました。

また、ユーカリの葉も実際に手に取り、その香りを体験しました。日本で見かけるユーカリの精油のような強い刺激はなく、自然でやさしく、どこか爽やかな香りが広がります。視覚だけでなく、味覚や嗅覚を通してもオーストラリアの自然を感じることができました。

文化は、本や映像だけではなく、実際に見て、聞いて、作って、味わい、香りを感じることで、より深く理解することができます。この日の授業は、生徒たちにとってアボリジナル文化を五感で学ぶ、非常に貴重な経験となりました。

第2週が始まり、生徒たちは英語でのコミュニケーションにも自信を持ち始めています。そして、言語だけではなく、歴史や文化、多様な価値観に触れることで、一人ひとりの視野も確実に広がってきているように感じます。

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